右側に大きくあれば、右全体が弱くなりやすく、肝臓、胆嚢、十二指腸等の病に気を付けましょう。若くして盲腸の手術の可能性もあります。顔を細かく観察すると目の開きが違います。
右の目の方が小さいでしょう。ともすれば感情型、情熱的、熱血漢が多いようです。肝臓、胆嚢、十二指腸が疲労し易いので睡眠不足は大敵です。アルコールのとりすぎや些細なことで怒ったりは慎んで下さい。
左頚のしこりが大きいとき左全体が弱くなりやすく、心臓、胃、すい臓、S字結腸等の病に気を付けて下さい。甘すぎ辛すぎ要注意、食べ過ぎは禁忌とします。胃腸の疲れから下痢タイプ。積み上げて考えることを好むことから1+1が2にならないと気が済まない性分の様です。ときにはゆったりとした気分でオーケストラ等いかがでしょう?
歯にも影響が出てきます。
右が弱いと右の歯に発育不全や、その側が虫歯になり易かったり。鼻の穴は如何でしょう? 耳も見て下さい。弱い側が小さいことに気づきます。目の開きが小さいせいで、ウィンクをするときは、右側となる筈です。笑ったときの頬は、右側のシワがハッキリ出るはずです。
左が弱いと、いま述べたことの反対のことが起きます。日常生活で、上のことに気づいたら食物を噛むときは、左右交互に。ウィンクはやりにくい側で、鏡を見ながら百面相をして頬のシワが左右同じくらい出せるように訓練して下さい。顔面神経は、耳のうしろから出ています。その周辺を軟らかく揉んで下さい。
右手を使って仕事をしているのに、左の肩がこりやすい人がいます。
「先生、左を使わないのになぜこるのでしょう?」左頚のしこりが大きいとき、右より左が弱く右側の疲労が左大脳半球に伝わり自律神経を介して、その人の弱い側でこりや痛みとなって感じる場合があるわけです。
すなわち、左が弱いので補強をする必要があります。
普段、左手で物を持つとか左の握力を強めるような運動を取り入れたり、左手首をグルグル回して軟らかさを維持できるように心がけて下さい。もちろん当院での治療が必要かと思われますので通院しながら徐々に補強することにしてください。日本人は特に男性では左側が弱い人の方が右の弱い人の約1、5倍も多いことを日本鍼灸良導絡医学会で発表したことがあります。一説には日本語の発音が余りにも母音優先型であるため左大脳半球への依存度が右よりずっと高い為と言われています。右大脳半球を養うため音楽、美術にも親しみましょう。
女性の場合には、乳房の大きさが違ってきます。右頚のしこりが大きいときは右の発育不全をまねき、その側が小さい場合が出てきます。乳腺症を起こし易かったりもいたしますので、要注意です。ともすれば、乳ガンの発見まで弱い側が受け持つこととなる場合も出てきます。
天宗というツボが背部、肩甲骨中央部にありますが、くびにしこりがあるとその大きい側のツボに圧痛がよく出ますので、背中が凝らないよう、気づいたら早めに治すように心がけて下さい。背中のこりは、下肢の運動不足でもおこりますし、暴飲暴食は胃腸や肝臓を疲れさせて背中のこりをよぶことになります。下肢の運動を充分行い、乳房の周辺の筋肉群、すなわち大胸筋を充分胸をひらく体操で柔軟性を保つように心がけて下さい。デスクワーク、編物、ミシンかけ等で背中を丸めっぱなしは禁物です。
では、なぜしこりが出来るのでしょう?
ここでいうシコリとは、筋、腱と呼ばれるものが、部分的に本来の弾力を失ってその周辺よりこわばって感じられ、そのためその部位は圧痛があったり動きがスムーズでなくなってしまう状態を指しています。
その原因には、単なる使いすぎから頚椎捻挫等いろいろ考えられますが、ヒトが生まれてから、生育の過程を経て死に至るまでに、くびを傷める場面は容易に考えられます。もし逆児で生まれる様なとき、産道を通って来るときに頚椎に負担が掛かりすぎることもありましょう。普通分娩でも頚椎血腫を起こす場合もあります。そんなときは新生児黄疸が長引いたりもいたします。
現に私の長男が逆児で、血腫を起こし黄疸が長引いた経験がありました。育って3才〜5才になると、階段から転げ落ちたり、ブランコから落ちたりしてクビを傷めます。10才前後から木登りしていて落ちたり、柔道でクビを傷めたりということになってクビのシコリができるのです。
おヘソの形がいびつになることがあります。
ハダカになってまっすぐに立って、真上から自分のおヘソを見て下さい。
正中線上にまっすぐにあればよろしいのですが、どちらかに曲がっている場合があります。何故でしょうか。特に左側のクビのシコリが大きい場合には、胸椎の九番目あたりの右背部に硬結が出る場合があります。そんな時にはその周辺の筋肉も硬くコワ張り、前の方のヘソ周辺の腹筋をひっぱります。従っておヘソは右を向いてしまってヘソ曲がり人間を作ります。
右背部の硬結は肝、胆系の疲れを起こし易くなりますし、左クビのシコリによって、左側全体がダラリとした感じになりますので左側の臓器、胃脾などの過度の負担はいけません。知らず知らすのうちに早ぐいをしたり、食べ過ぎたり、甘いものを取り過ぎたり、飲み過ぎたりはいけません。クビを軟らかくして腹筋力をつけ、下半身を鍛えて治しましょう。
そのシコリの大きい側の下肢が弱くなりやすく、捻挫とはいかない迄も、その側の足首をギクッと内側にくじいたりしますし、何故かいつも同じ側をくじく様になります。その中に骨盤の左右の緊張度にアンバランスが生じてきますと、“貴女の骨盤を矯正すれば貴女の病気は治ります。足の長さもそろいます。”等と云われて、整体術や、カイロプラクティックの先生からグキリ、パキリと矯正術を推められたりもすることになります。
始めに申し上げました通り、クビのシコリの大きい側がよわるのです。根本的療法はクビのシコリを軟らげる事であります。もちろん、矯正術に反対はいたしまいたしませんし、日常に於て自分で出来る矯正方は覚えて実践して下さい。
足首のまわりや、膝関節周囲そして手首のまわりと肘の関節の周囲に重要なツボがあります。
クビのシコリは、その大きな側の下肢にも、弱さが出ます。日常生活でどうしても右側の足に重心をおきがちであり(右利きの人達)けり出す足も右になる為、ますます左右差を広げる可能性があります。人とすれ違うとき、無意識に左側通行ですり抜けたくなります。駅の階段を見て下さい。右側通行と書いてはあっても誰も実行していない現状です。もっとも駅によって右側通行だったり、左側通行だったりしています事も原因しておりますが‥‥。
では、その足首をどうして鍛えたらよいでしょう。
スキ−も良し、スケ−トも良し、水泳ももちろん、およそ汗をかく位の運動量をこなせるのなら良いのですが、一般人にはムリです。そこでヒザの屈伸運動をなるべく深く短時間に10回〜20回程度午前と午後に行うことをお奨めします。足首を軟らかくし、ヒザに弾力がつき、骨盤周囲筋群を刺激し、骨盤内循環をよくします。
頭痛やメマイの原因になります。もちろん厳密な診断を受ける必要もあるでしょうが、原因のよく解らない場合も多いのです。頚にしこりがあると、右か左で、頭痛のおきかたが違ってきます。多くの場合神経疲労を伴っていますのでクビのシコリをやわらげて自律神経を賦活し、快眠、快便が得られるように治療すれば大概治ってしまいます。
メマイの場合は頚のしこりが耳に近いところにあることが特徴です。耳の後ろがこわばっているわけです。耳周辺に血行不良が生じ内耳と呼ばれる部分にある三半規管での平衡感覚のコントロール不全でメマイをおこすのです。そこまでいかなくても自動車酔いや船酔をすぐ起こす傾向の人もいます。いづれの場合も腹部の副交感神経を賦活し、それには腹筋力をつけることですが、消化器系を強めながら頚部から背腰部の硬さをホグし、下半身を鍛えていくことで解決致します。
お肌が荒れてきます。
特に若いうちからニキビやフキデモノに悩む方が多いのです。
クビにシコリがあると耳の後ろから顔面神経が出ていますので、クビのシコリはその周辺を圧迫し血行不全を起こし易くなります。頚椎周囲の血行不良は脊髄循環をもクルわせますので、消化器系特に大腸の働きが悪くなったりしますと便秘をしたりして余計に皮膚を傷めます。皮膚は弱酸性を保ち、体内は弱アルカリ性を保っていれば良いのですが皮膚に疾患があるとその平衡関係がコワレてしまうのです。
体内にはその意味からも充分にミネラルを豊富に含んだ水分(生水)を取り込みたいものです。朝おきがけにコップ一杯の水、昼食の一時間前位にも一杯の水、夕食の一時間くらい前にももう一杯、そうすることで体内の水分は充分となって健康維持の為に悪い水分は欲しくなくなってきます。クビのシコリをほぐし自然の生水に親しんで肌を守りましょう。
頚にしこりがあると、精神統一が図れなくなったり集中力が鈍ります。
学生さんでは机の前に座ってはみるものの、他の事を思いだして勉強に身がはいらなかったり、記憶力がどうしてこんなに悪いのかと自分を責める様なことにもなりかねません。副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を脳下垂体摘出動物に注射すると学習能力が高まることが知られており、西洋医学的には薬物を合成して今後役立てようとしております。しかしその様なホルモンが自ら分泌旺盛になれば理想的である筈です。それには頭の中央に位置している動物本能の源である視床下部への血流を充分確保してやることです。クビのシコリを和らげて椎骨動脈を介し充分血液が運ばれ易くしてやることです。
このようにして自律神経中枢を賦活することが集中力を高めるのに役立ちます。ゴルフのパットが決まりだしますよ。
クビのしこりが左にあるヒトが男性では多くみられることを述べました。左に属する臓器の中でも心の臓は大切です。東洋医学での心経は、精神や心をも意味します。左全体の弱さをクビのシコリを和らげることと鍛錬で補いましょう。ケダモノの顔が左ということはそのことを意味しているように思えます。ヒトがケダモノ化しない為クビのシコリをなくしましょう。